雨上がりの御岩山。辺り一面、霧が立ち込めてより一層神秘的。天を突くような杉の巨木は、枝葉を伸ばして、あたかも私を包み込むように覆いかぶさってきた。近くにあった古い木製のベンチに腰をおろして、深々と深呼吸をした。森の奥からさえずりが聞こえる。深閑とした世界が広がっている。御岩山は、日本最古の書物「常陸風土記」にその名が書き記されている霊山。今、私は聖地の中に居る。